≪Z900RS専用 ステアリングダンパーVer.2 アッパーマウントキットの開発≫
New Z900RS専用のステアリングダンパーキット。
既に絶賛発売中のステム下部にダンパーを装備するアンダーマウントモデルも大好評をいただいておりますが、もっとステダンの存在感をアーキらしく強調モデルを提案する事はできないだろうか?という事で製品の開発が始まりました。
開発の前提として大きかったのが、一部のユーザー様から「ステムの下側に取り付ける既存モデルでは頻繁に機敏な操作がしにくく、見た目のカスタム感をより一層ゴージャスに強調したい」というご意見。
従って
・操作性の向上
・ドレスアップ効果の向上
を解決する手段として「ハンドルクランプ上部への取り付け型」をご提案させていただきます!
ハンドルクランプ上部への取り付けを考えると、まず最大の課題となるのがダンパー本体をマウントさせるためのブラケットの固定方法とその形状です。
燃料タンク前部固定用のブラケットと共締めする以外の方法は無いのですが、そこで問題となるのが「燃料タンクとのクリアランス」です。
十分な強度を持ったAL2017ジュラルミン材を贅沢にもブロックから3Dで削り込んだ本体リブを含むタンク前面との接触は是が非でも避けなければなりません。
逆に言うとブラケットとタンクの間に十分なクリアランスが確保されれば、オーナーは「タンクに傷がつくかも」という心配をせずに装着することが出来るようになります。
車輛の個体差も考慮し、この問題を解決できるよう設計したブラケットを3Dプリンタで何度も何度も試作・取付け、調整を繰り返します。
・タンクとのクリアランスを確保しようとすればトップブリッジに干渉する。
・トップブリッジとのクリアランスを確保しようとすればハンドルポストボルトに干渉する。
といった具合でマウントブラケットをアッパーとロワーの2ピース構造にし、更にオフセットを加えたりスクエアー形状にしたりと次から次へと出てくる干渉物を数度の角度と数mm単位のオフセットでクリアランスを確保していきます。
以下の例はハンドルを右にいっぱい切った時の写真です。赤丸の部分を見てみると、ハンドルポストの下にあるベータピンがステムのトップとモロに接触しているのが分かります。
こちらも同様に「パーツが傷つく」という心配の種になります。また、必要があって取り付けられているピンが繰り返し接触することで変形/破損するのも防ぎたいところです。
ステム形状の変更案も出たのですが、ここは「ピンを挿す向きを変えればいいんじゃない?」という作業スタッフの一言で解決しました。これは実際の製品化の際にも重要なポイントになるので、是非押さえておきたいところです。
これでダンパーブラケットの問題は解決出来そうです。あとはダンパー本体とハンドルクランプのブラケットを取り付けるだけです。
しかしここでハンドルクランプブラケットのデザインが気になりました。当初は飾り気のないシンプルな形状で取付けさえ出来れば良いと検討していたのですが、アーキとしてはかなり物足りません。
常に目に入る部分ですから、全体が野暮ったくならないよう細めのライン構成をベースにより優雅な仕上がりをイメージ。折角ですから、ARCHIのロゴも中央にあしらってみました。
悪くないんじゃないか、と思えたのですが純正のハンドルバーに施されているスリットが気になります。この部分との親和性を高めるため、中央部は全体に少しアールを付けながら拡張し、同様のスリットを追加してみようと思います。と決まったので早速に新型を製作してみました。
プロトタイプを取り付け後、間違いなく問題は解消されているのか、他に解決すべき問題が無いのかもしっかりと検証します。新商品として皆様のお手元に届くまで、一切の妥協をせずに細部を掘り下げます。
峠やサーキットを極限まで攻めたい方。長距離走行時のハンドルバタつきを押さえたい方。ハンドル周りのドレスアップ効果を高めたい方。
ご期待にお応えできるARCHIステアリングダンパーキットは、2023年春のリリースに向け鋭意製作中です!