≪OHLINS専用 ARCHI プリロードアジャスターグリップ≫の開発
突然ですが、PMCのショールームにはBIMOTAがあります。
これは見て愛でるのはもちろんのこと、「こういったコンセプトのバイクからインスピレーションを受けよう」という代表の粋な計らいでもあります。
なので新製品を考案する時によく観察をするのですが、その中で目に留まったのがOHLINSのプリロードアジャスターです。
これはこれで完成されているのですが、「このグリップをYSSで培ったノウハウを基にARCHIが手掛けると、面白いものが出来るのではないだろうか?」と思いついてしまったので製品化を目指すことにしました。
製品化に際し掲げたテーマは
・高級感を演出する
・更に使いやすくする
の2点です。1点目の「高級感を演出する」は、ARCHI製品ではおなじみのアルミ削り出し+アルマイトを行う事で実現できると判断しました。あとは更なる使いやすさと、高級感を損なわないデザインを詰めれば完成です。
が、意外にここからがイバラの道でした。
当初計画したのは「6面体で各エッジに持ち手となる盛り上がりを付与した構造」。その第1稿がこちら。
試しにこの図面で3Dプリンタのサンプルを製作したのですが、抜きになっているロゴのエッジが持ち手の部分で指に食い込んで、到底実用に耐える内容ではありません。
「であれば、ロゴを小さくすればいいじゃない」
と短絡的に考えてリデザインすると
ロゴが貧弱になってしまいました。しかも絶妙な感じで持ち手の部分に干渉するのでいただけません。
「思い切ってロゴは2面にとどめ、4面を穴あきのパターンにすれば?」と考え試作してみると
えも言われぬ「コレジャナイ感」溢れるデザインになってしまいました。しかも持ち手の問題は解消されません。
この時点で6面体を諦め、5面体で検討してみました。
正直このあたりで方向性を見失いかけています。4面体もやってみたのですが大して見た目が変わらないうえにデータがセーブ前に飛んでしまうという悲劇に見舞われ、最後の望みを託してデザインされた3面体がこちら。
「よし、これだ!」という事になり3Dモデル→プロトタイプと順調に開発が進みます。しかし。プロトタイプを実装してみてまたも問題が生じました。使いやすいようにと高さを取った持ち手が力を籠めると手に食い込んで割と痛い事実が発覚します。そこで再度設計を見直し、持ち手の高さを下げるとともにロゴのサイズも調整する事でようやく製品版にたどり着きました。
という紆余曲折を経て完成しました。「OHLINS専用 ARCHIプリロードアジャスターグリップ」です!
高級感と使いやすさをARCHIなりに追求した「OHLINS専用 ARCHIプリロードアジャスターグリップ」はシルバー・ブラック・ゴールドの3色展開で2025年2月20日(木)の発売予定。ご予約は下記より承っております!