≪Z900RS専用 ABSロングテールカウルver.2 青玉虫 ラインの調整≫
2022年モデルのキャンディートーンシリーズ新色「ブルー」、いわゆる「青玉虫」のリリースについてお伝えしたところ多くの皆さまから絶賛を頂きありがとうございました。
「パーツ単体でも美しいが、RSに装着すると更に美しい」をテーマとした逸品。
今回はコンピューターグラフィックで作成したシミュレーションに基づき、3次元で最適な解を見つけるための何度も微調整を行いました。
<コンピューターシミュレーションの画像>
まず参照したのは本家1975年式Z1Bのラインです。この情報を読み込み、1/1の図面を作成します。そして原始的な方法ではありますがそれを切り貼りすると、2次元では気づかなかったポイントがあらわになります。
例えばラインの太さですが、Z900RSのそれと比較するとZ1Bのそれは
・上部の白:Z1Bの方が太い
・下部の金:Z1Bの方が細い
という違いがあります。
当初は純正テールカウルのラインをベースに再現しようと試みましたが「ロングテールカウル」の最大の特徴である長さ厚み形状を最大限に引き立てるにはそれぞれラインの太さをガスタンクラインの延長線上に伸ばすことで車体全体が絶妙なバランスに仕上がることとなりました。
続いて「Z1Bらしさ」と捉えられるポイントを整理します。開発班が考えたのは
・Z1Bのラインはリブに沿って反り上がり、最後は少し細くなる感じ
・テールに向かうラインの曲線は天面との境目ギリギリで終わる(あくまでサイドのライン)
の2点。
この条件を満たすラインを取り付けたところ
「そんなに悪くないかも?」
と一瞬思ったのですが、
・タンクのラインからなる連続性が途切れた感じになっている
・シートを付けた際の根本(?)部分のラインがうまく隠されていない
という問題が発生しました。
また、オリジナルのテールカウルの形状と比べるとABSロングテールカウルは厚みや盛り上がりが異なるため、独自のアレンジを加えていく必要があります。
これらの問題点を解決する手段として更に数種類のラインを作成し、取付比較します。
「多分、パッと見ても違いが分からないと思うので分かりやすいところを解説します」と担当者。ありがとうございます!
違いその1)取付位置
これは上の写真でラインの左側とカウルが接している面を見ていただくと一目瞭然ですね。上の方が、より高い取り付け位置を採用しています。これは先に述べた「タンクラインからの連続性」に関わるポイントで、なかなか悩ましいポイントでした。
違いその2)ラインの太さ
元々Z1Bのラインは力強いイメージがあるのですが、そのままZ900RSに再現すると少し太く、野暮ったく見えてしまうため全体の幅と、テールに向かい収束する幅を調整しています。
違いその3)エンド部の離れ具合
3枚目の写真、少しボケていて恐縮ですが金色のライン右側の黒いスペースが異なっていることがお分かりになりますでしょうか。この部分のバランスもイメージに大きな影響を与えます。
終盤になると「あれ?どれが正解やったっけ・・・」というお決まりのボケをかましながら順調に進む開発。年内リリースに向け、最大の難関を超えました!
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