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≪Z900RS/Z900RS CAFE専用 ”D.B.I.カバー”開発≫

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マシンの”色気”とは、どこから醸し出されるのだろう。

 

その答えの一つが「ちょっとした部分品が生み出す造形美」ではないでしょうか。

PMCが長年手掛けているZ1を観察すると、随所に”色気”を感じることが出来ます。それ故に半世紀を経た今もなお多くのユーザーを虜にして止まないのでしょう。

 

そういった観点で最新機であるZ900RSとZ1を並べてみたところ、ある一部のパーツが気になりました。それがサイドカバーです。

 

Z1のサイドカバーはエアクリーナーのパイプを、盛り上がった曲線が覆いかぶさるようにデザインされています。

 

 

このZ1に対し、Z900RSの同部分を見てみると

・全体のバランスとして長めに見える

・その影響か、サイズ感は大きめに感じる

・起伏に乏しく、タンクからサイドカバーへの流れがのっぺりしている

といった印象を受けます。

サイドカバーをモディファイする事で、Z900RSにもZ1から感じ取れるような”色気”を加える事が出来るようになるのではないか、という発想が開発のスタート地点となりました。

 

参考にするのはZ1のような、シンプルかつ立体的な造形です。更に追加要素としてZ900RSのサイドカバー前面に施されている左右2対、計4個のエアインテークをどのように解釈するのか、という事を考えました。

まずひらめいたのはYAMAHA V-MAXに見られる大口径のエアインテークです。

実のところ機能というよりは視覚的なインパクトを優先して搭載されているパーツなのですが、パッと見ただけで「4気筒のド迫力エアインテークだ!」と知らしめる説得力とボリューム感はZ1のサイドカバーが持つ曲線美に通ずるものがあります。

 

とは言えこのままのデザインではサイドに収まりきらないことが目に見えているので、開口部のデザインを更に検討しました。結果、フェラーリF430のフロントスポイラーに見られるエアインテークの「ハス切り」で魅せる手法を取り入れる事にします。

 

ここまで決まった段階で、写真を元にイメージスケッチを作成しました。


このスケッチを元に、ざっくりと3次元のパーツを起こしていきます。それを見ながら更にスケッチを起こし、3次元で確かめて・・・を繰り返します。

 

 

 

この「3次元で確かめて」が非常に重要な要素となりました。なぜなら、初期のイメージでは「立体感を出す」に力点を置いていたのですが、いざボリューム感を押し出したデザインを立体に落とし込むと「ニーグリップの時、予想以上に干渉する」という事が分かったからです。

 

フェラーリからアイデアのヒントを得た「ハス切り」のデザインを更に昇華させ、見た目にはボリュームがありつつもライディングには干渉しないバランスを探りながら様々なパターンを試します。

 

また、開口部のデザインも一筋縄ではいきませんでした。

初期の段階ではインテーク部分の開放口の上下比率を「1:1ぐらいかな」というイメージでデザインしていたのですが、何ともおさまりが良くないというか、「これではない」感じが満載です。

 

 

ではそれをどうするのか。上下でバランスを変える、重ねてみる、ハスの切り方を工夫してみる等紆余曲折を経て、ようやく試作品が仕上がりました。

 

そこから更に開口部に関する修正指示を加え、完成したプロトタイプをZ900RSに取り付けイメージの確認を行います。

概ね良好、といったところでしょうか。更にフレームとの密着度や微妙なラインの最終調整を行い、量産化に向かいます。

 

パーツの前面に設けられた大口径のエアインテークは、さながら大きな二つの泡が膨らんだかのようなイメージから「Double Bubble Intake(ダブル・バブル・インテーク)」と名付けました。その頭文字を取り、製品名は「D.B.I.カバー」と呼びます。

 

メッシュ網で武装された開口部は貴方のRSをより一層戦闘的なイメージに仕上げ、製品版でのバブル部分は綾織カーボンファーバー製となり強烈にカスタムメイク感を演出させます。カーボンハイフローステムヘッドカバー、カーボンチンスポイラーと同じ世界観を持つカーボンシリーズでの組み合わせとなります。サイドカバー部は無地および各ボディカラーのラインナップで7月下旬の発売予定です!