≪Z900RS専用 スライトリアフェンダー≫ 最終打ち合わせ
Z900RSのABSロングテールカウルに合わせてお使いいただけるよう開発が続くスライトリアフェンダー。先日、製品化に向けた最終の打ち合わせが行われました。打ち合わせの内容は「表面処理について」です。読み終えるころには、表面に書き込まれた各種記号(?)が読めるようになっているかもしれません。
いきなりですが、これが今回の話で重要な役割を担う「エッチングパターン」の見本です。
ARCHIのデザインコンセプトでもある「ハニカム構造」を表す六角形を浮き彫りにするために使用されます。
こういった表面加工の総称を「シボ加工」と呼ぶのですが、今回しっかりと学ぶことが出来たのでその点も含めながら順にご案内いたします。
<シボ加工とは>
今回、製品の表面処理をお願いするのは株式会社モールドテックジャパン様。1974年創業の老舗で、シボ加工については世界のトップランナーとも言えるポジションのスーパー企業です。
そのモールドテックジャパン様のホームページに記載されている「シボ加工とは」がとても分かりやすいので一部引用すると
・金属の表面に模様を付ける金属微細加工法のひとつです。
・布がまだなかった時代、動物の生皮を実用的にするために鞣す(なめす)技術が発達しました。もんだり絞ったりして皺(しわ)をつける作業を「シボ付け」といい、この模様を「シボ」と呼ぶことから由来しています。
・プラスチック成形金型の場合、皮革模様に限らず木目・岩目・砂目・なし地・幾何学模様の腐食加工もすべて「シボ加工」といいます。
といった内容になります。以下のページにとても分かりやすくまとめられています。
ちなみに「エッチング」とは簡単に言うと金属板に不溶性のシールパターンを貼り、それ以外の部分を酸化溶解させる事でパターンを浮き彫りにしたり、あるいはそれ以外の場所に穴を空けてしまうような手法の事です。溶解に要する時間を調整することで仕上がりを変えていくんですね。
この「シボ加工」をスライトリアフェンダーに施す、というのが最終打ち合わせのテーマです。先の「ハニカム構造」を表面に施すとどん感じになるのかを掴むためにプリントされたものがこちら。
なるべく全体にパターンが入るように配置するとこのようになります。ここから
・面が切り替わる部分の見せ方
・型抜きを行う際に問題は発生しないか
・曲面(特にエッジ)はどこまであれば美しく見せる事が出来るか
・不自然に見えるところは出ないか
こういった内容を細かく詰めていきます。
ちなみに:こちらはARCHIのロゴ配置のビフォアアフターでもあります。ブランドロゴが入ると、製作する側としてもテンションが上がってきます。
真上にあったお日様が夕日に変わるころ、ようやく打ち合わせが終わりました。書き込まれたパーツがこちら。
少し前のエッチング写真に載っていますが、「MT-EG 8B」はエッチングのパターンを示しています。
実際に商品に乗せてみたところ、より細かな「MT-EG 7B」への変更が記載されています。
また、ハニカムデザインはどの部分に残し、どのように見せるのかも細かく指定されていることが分かります。パターンが入らない部分にはつやを消すため「ショット」と呼ばれる艶消し加工が施されます。
このように、何度も検討を重ねながら「装着したときに最も美しく見えるように」という思いを込めて製品が仕上がります。
ミーティング後に「3時間以上も集中し続けるとさすがにしんどいね。でも、いいものが出来るよ」と社長も納得の笑顔でGOサインを出したスライトリアフェンダー。ご注文は以下のリンクより承っております。