ABSロングテールカウル Ver.Ⅱの開発
Z900RSのロングテールカウルVer.Ⅱの開発記録をご紹介します。
「より一層Zらしく、最高のスタイリングバランスを追求する」というコンセプトを実現すべく、FRPで作られたモデルを検証し、スタイルと実用性の両面からアプローチを行いました。改善点を可視化/共有し、具体的な形に仕上げる作業のはじまりです。数か月にわたる厳格な校正/検証作業を経て、ようやくプロトタイプが完成しました。
<ABS プロトタイプ>
取付における問題点はないか、装着した時のスタイルはイメージを具現化出来ているか、など細かな検証を重ね、蓄積されたデータを更にフィードバックし金型に反映させていきます。
<ABS 最終テストバージョン>
成形色が黒になり、フィードバックを反映した最終テストバージョンです。プロトタイプで散見された問題点はクリアされ、ほぼ製品版と言えるクオリティのものが届くと社内に期待と興奮の熱気が渦巻きます。
その中でも冷静にチェックを重ねる社長の姿が。製品の表面を撫でながら、「何かが違う。かなり良いんだけど、まだ完成じゃない。」
数値に直すと、1/1000ミリレベルの世界。
「パッと見たところで、誰もわからないだろうけどね。」
苦笑しながら製品を手にする社長のこだわりに応えてくださったのが、製造を請け負っていただいている会社の金型師さん。「納得のいくものをお届けするのが私たちの仕事です。」という粋な一言とともに、製品版に向けた変更を快く引き受けてくださいました。
目には見えない部分も含め、妥協なき拘りの結晶として生まれ変わったロングテールカウル。お手元に届いた暁には、ぜひ指先にもその世界を感じてください。
そして、「より一層Zらしく、最高のスタイリングバランスを追求する」ために生まれたパーツとともに愛機を駆っていただければ幸いです。