≪Z900RS/CAFE専用 カーボンフロントフェンダーの開発≫
マシンとの組み合わせにおいて”カーボンファイバー”はご存じの通りFRPを越えた軽量かつ高強度で「レーシング」イメージが非常に強く機能面はもとより外観上のポイントとしても重要なインパクトを与えます。
ARCHIが2021年にリリースした”カーボン モデリングシリーズ“は全てその思想を元に開発・設計されており、これまでに
・ハイフローステムヘッドカバーセット
・“チン”スポイラー
・リアフェンダーver.2
・ダブル・バブル・インテーク(D.B.I)
という4つのアイテムがラインナップされています。
その最新作として今秋にリリースが計画されている最新アイテムが「フロントフェンダー」になります。
一般的に倒立フォークを採用しているスーパースポーツ系フロントフェンダーは大型の一体成型かつフォークに直付であり、スタンダードのZ900RSのようにブラケットを介した造りではありません。
この一体成型の流れは変えず、しかし野暮にならないフロントフェンダーをデザインするというのが今回のコンセプトになります。具体的には
1)大胆で戦闘的なデザインと繊細で無駄の無い作り込みを目指す
2)ブラケットを介さずエアロダイナミックを考慮した一体成型とする
3)リアフェンダーとの親和性を持ったデザインとする
4)シリーズに共通するメッシュウインドウを踏襲する
これらの要件を満たすことをゴールに設定しました。それでは段階を追って見ていきましょう。
1)および2)の「無駄のない形状」については、一般的な一体成型で見られるフォークへの取り付け部を極限まで削り込む事がメインの作業となります。類似アイテムの製品写真を元に完成形をラフデッサンで示し、イメージを形にしていきます。
接合部は前から後ろにかけて、絶妙に反りながら飛び石をガードする役割を果たすようラインを整え、内部取り付けブラケットの形状が分かるほどの削り込みにより徹底した無駄の削減、内部フレームまでを想起させるシャープな造形を実現しました。
3)リアフェンダーとの親和性はエンドの形状にこだわりがあります。元々アヴェンタドールのフロントを意識してデザインされたギザギザの形状を踏襲しています。ちょっとした事ですが、縁を折り返しにすることでより高級な存在感を演出しています。
4)メッシュは戦闘的かつ目立つ位置に。デザインイメージに合わせ、実物大のパーツを紙で製作しバランスを見ます。アナログですが非常に有効な検証方法です。
メッシュ部分と周辺部分の厚み、全体のバランスなどを徹底的に検証し、最適なバランスラインを採用して製品版にフィードバックします。
フロント周りも切り落としではなく、全体的に縁を折り返すことで「フォークカウル」とでも呼ぶべき存在感を放っています。
各カラータイプに先駆け、フラッグシップともいえるカーボンタイプは今月末のリリースに向け鋭意製作中です!