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≪Z900RS専用 LOUDEXタイプメガホンマフラー開発 その1》

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2022年秋。Z900RSにピッタリの新たなマフラー開発が始まりました。コンセプトは「カワサキと言えばKER KER-KR管!」。

KR管とNinja H2Rテールパイプを足して今風にアレンジし更にド迫力を加えた最高の仕上がりを目指します。

 

元々PMCではZ1/Z2用から始まりDAEG用の頃からメガホンかつスラッシュカットのテールピースがカワサキのマシンに似合うと考え開発・発表してきました。発売当時スラッシュカットを有するテールエンドを見る機会は一部のカスタムパーツぐらいしかなかったというイメージですが、近年H2RやZX-25Rなどメーカーオリジナルのデザインにもこれらが取り入れられているのを見ると、やはりデザインの方向性は間違っていなかったと確信しました。

 

【DAEG】

【H2R】

 

2022年3月に開催された東京モーターサイクルショーにて展示した「Z900RS レッドジュエル」は純正の青玉虫に対し、ARCHIが考える「赤玉虫仕様」の提案であるとともに、メガホンタイプマフラーに対する市場の反応を伺う試金石でもありました。その結果想像以上の方々から称賛されたこの機会に新型マフラーの開発が本格化しました。

 

【Z900RSレッドジュエル】

 

ARCHIブランドのエキゾーストでは、‘70sのZ2-RSをモチーフとしたショート管を提案してきましたが、新たに追加されるロングタイプのいわゆるサイレンサー仕様でのデザインコンセプトは、「全体のボリューム感を想像した時、質感と立体感を演出できるテールエンドの造形は、筒形やGP型ではなく、メガホンタイプかつ大口径・スラッシュカットの組み合わせである」と考えました。

 

このコンセプトを実現すべく、まずは4つのポイントにこだわり開発を進めています。

 

こだわりポイント

1.テールエンドの形状は簡素な切り落としではなく、立体的なスラッシュカットを選択し長さ・角度にもこだわる

2.テールエンドからバッフルまでは、折り返しの二重構造とし強烈な立体感を演出させる。構造的には困難でややこしくなるが、妥協をしないことで完成度の高いビジュアルを得る

3.車体との平行感と、スイングアームとのクリアランスが十分かつ美しく確保されるよう三次元での角度調整に妥協は許されない

4.装着の際は一切の加工を施さず、純正マフラーのマウント位置に完全ボルトオンで取り付け可能とする

それぞれのこだわりを順に見ていこうと思います。

 

第1回は

【テールエンドの形状は切り落としではなく、立体的なスラッシュカットを選択し長さ・角度にもこだわる】

について。

 

まずは比較用に、「Z900RS レッドジュエル」に搭載したマフラーの先端部を真横から見てみます。テールエンドの内側は見えず、車体に対しまっすぐ切り落としたような形状であることが分かります。

 

この部分を斜め切りのスラッシュカットにすることで、テールエンドのビジュアルを立体的に演出させます。

イメージ通りのプロトタイプが完成するまでのプロセスはこちら。

先ずは鉄板を斜めに丸めた筒状のラッパをデモ車に当てがいビジュアルのイメージを確認しながら細かく正確にマウント位置、跳ね角度、出っ張り角度を調整させていきます。

 

 

テールエンドに併せ中間パイプも完成し、いよいよプロトタイプをデモ車に取り付け、ビジュアルのイメージを確認しながら細かな修正を加えていきます。

 

 

 

微調整に次ぐ微調整が生み出すテールエンドの最後は、いったいどこに行きつくのか。。。非常に楽しみであります。

 

次回は【テールエンドからバッフルまでは折り返しの立体構造とする。構造的には困難でややこしくなるが、妥協をしないことで完成度の高いビジュアルを得る】

について。「そこ?」と言われるかもしれませんが、譲れないポイントについてご案内させていただきます!