≪Z900RS/CAFE専用 カーボン”チン”スポイラー開発≫
インスピレーションの神は突然やって来る。
”カーボンハイフローステムヘッドカバーセット”の開発が完了し、量産品が製造された時がそのタイミングと言えるでしょう。
(カーボンハイフローステムヘッドカバーセットの開発記事はこちら)
テーマの一つである「開口部+メッシュの組み合わせの良さ」は、Z900RSの持つノスタルジックな魅力をより引き出す事を、見る者の直感に訴えました。そしてそれは、カーボンハイフローステムヘッドカバーからカーボンリアフェンダーに至る「流れ」が生まれた瞬間であるとも言えます。
開発担当者の脳裏に浮かんだのは
・美しい三日月形の開口部
・右側パルス&クラッチカバー、左オルターネーターカバーの外周ラインと融合し、エンジンとの一体感をかもし出すデザイン
・流れるような美しい曲線
であったそうです。インスピレーションを明確なイメージに落とし込むため古今東西の資料を見直し、近しいものをベースにリデザイン後、プロトタイプの制作に取り掛かりました。
この時点ですでに、ネーミングの由来である飛び出た”顎(あご:英語でChin)”の特徴を見ることが出来ます。
エキパイに向かって曲線を描きながら前方に伸びるデザインはさながら”角(つの)”でしょうか。ラジエターホースの収め方にも、この時点からこだわりが見て取れます。
モックアップをベースに発砲ウレタンフォームを吹いては削り吹いては削りを幾度も繰り返し、おおよその形状が整ってきた時点でウレタン系のパテで仕上げマスターモデルを完成させます。
そして届いたサンプル。当初のイメージとこだわりが反映されているかどうか、少し細かく見てみましょう。
・美しい三日月形の開口部
ロースタイル形状では実現できなかった段違いの三日月型開口部にはワイルド感あふれるメッシュがハメ込まれいかにも戦闘能力の高さを実現させています。
・右側パルス&クラッチカバー、左オルターネーターカバーの外周ラインと融合し、エンジンとの一体感をかもし出すデザイン
後方に向かい、ラインが絞られる事で「隙間感」を無くし、より一体感を高めています。
・流れるような美しい曲線
単体で見ても十分美しい曲線で構成されています。そしてカーボン繊維が前から後ろに向かう流れの中で、下から上へと斜めに流れていることが分かります。カーボン繊維の向きを真横にすれば技術的にも簡易になるのですが、ここにこだわる事で元々の造形が持つラインに「動き」を加えています。
更に細かいところではありますが、パーツのエッジは切り放しではなく”折り返し”を採用する事で、全体の印象をより滑らかにしています。手間がかかるうえに内部繊維の始末にも高度な技術が求められますが、その分仕上がりの品質には雲泥の差が生まれます。
そして取り付けイメージがこちら。カーボンハイフローステムヘッドカバーからカーボンリアフェンダーに至る「流れ」を感じていただけると幸いです。
RSのノスタルジックなフォルムをより攻撃的なスタイルに変貌させるショートアンダーカウル ”カーボンチンスポイラー”は7月15日の発売予定です!
【特報】
カーボンハイフローステムヘッドカバーからカーボンリアフェンダーに至るシリーズの最新作、現在着々とプロジェクト進行中です。2021年の夏をより熱くするスペシャルパーツの情報をお見逃しなく!